そして,控訴人Aが,Gに対し,A譲渡株を発行価額と全く同額で譲渡した 結果,同控訴人は,譲渡益を現実に手にすることはなく,GがA譲渡株の時価 と発行価額との差額相当額の経済的利益を得ていることは明らかであるが,G が得た上記利益は,A譲渡株の低額譲渡により生じたものであって,Gがその ような利益を得ているからといって,A譲渡株の引受けによる経済的利益が実 質的にGに帰属するものとみることはできない。
したがって,控訴人Aの上記主張も理由がない。
(4) 以上に説示したところによれば,控訴人Aは,自らの計算において,A譲渡 株を現に引き受け,これを取得しているのであって,その引受け及びこれを譲 渡したことによる所得は,同控訴人に帰属するのであって,これらに対して課 税することは適法である。
3 B譲渡株の引受け及びその譲渡による所得に対して課税することの適法性 (1) 前記引用に係る原判決の認定事実によれば,昭和62年2月9日に開催され た控訴会社の臨時取締役会において,本件新株のうち84万株を控訴人Bに割 り当てることが決議され,控訴人Bは,同年3月11日,上記のとおり割り当 てられた本件新株84万株の発行価額全額の払込みを行い,これを引き受けて いるのであるから,同株式は,この時点において,控訴人Bに帰属したものと 認められる。
したがって,同株式の引受け及びその後の譲渡によって生ずべき経済的利益 は,いずれも,控訴人Bに帰属するものというべきである。

このページの先頭へ